Ftarri / Ftarri Classical

池田拓実

Musical Procedure

CD
ftarricl-663
限定200部
2022年2月27日発売
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  1. Delimiter (2021) for piano 1 (4:33)
  2. Delimiter (2021) for piano 2 (4:27)
  3. Delimiter (2021) for piano 3 (5:27)
  4. Duo (2021) for guitar and piano, with video-score (8:01)
  5. Canon (2021) for guitar, with video-score which embedded soundtrack (14:07)
  6. Trio (2021) with video-score 1 (6:06)
  7. Trio (2021) with video-score 2 (10:12)
  8. Trio (2021) with video-score 3 (5:37)

    mp3 excerpt: track 1
    mp3 excerpt: track 3
    mp3 excerpt: track 4
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    mp3 excerpt: track 6
    mp3 excerpt: track 8

作曲:池田拓実 (2021年)

遠藤ふみ:アップライト・ピアノ
柳沢耕吉:エレクトリック・ギター
池田拓実:エレクトリック・パーカッション、ドレイン・ホース、ほか


本アルバムには、作曲者が音楽的手続き Musical Procedure と呼んでいる一連の作品が収録されている。作曲者の通常の作曲作品では演奏すべき音が記譜されているのに対し、音楽的手続き作品においては演奏の方法や曲の概要など、音楽を形成するための手続き--プログラム、アルゴリズム、仕様書などと言い換えることもできる--ができるだけ簡潔に記されており、どのような音響が実現されるべきであるかの多くは演奏者に委ねられている。

楽譜は音楽を作り出すための道具立てに外ならず、音楽を作り出す主体はあくまで演奏家である。演奏家は書かれていることを単に実行するだけでなく、それを用いて自らの音楽を作ることが求められる。その結果は設計図なし で手続き的に建築される蟻や蜂の巣に喩えることもできる。

また、音楽的手続き作品においては、その書法から必然的に、楽器の奏法等を除いて、特定の音楽分野からの影響がいくらか取り除かれる (Trio の1曲目のように音符の概念の排除も可能である)。作品のアイディアは音響的イメージよりもパターン認識が先行する。そのため、これは文脈非依存的あるいは神経学的非定型 neuro-atypical 音楽の在り方の提示でもある。集団行動の抑制が求められる現下の状況において、集団から距離を置くこの種の音楽の可能性はさらに検討の意義を増すと考える。

1-3. Delimiter (2021) for piano
2段譜の下段に固定音形、上段の1線譜に「任意の単音」等の指示と音価を記し、反復記号で囲む。本作のみ紙の楽譜、他の3作品は動画スコアを用いる。

4. Duo (2021) for guitar and piano, with video-score
右から左へ流れる矩形が白線を通過するタイミングで発音。矩形は等間隔に配置され、テンポが遅い場合は任意の和音、早い場合は任意の単音、中程度の場合は in tempo で任意の旋律を演奏。

5. Canon (2021) for guitar, with video-score with embedded soundtrack
14の奏法をA-A-B-A-B-C-B-C-D-C-D-E...の順序で表示。奏法には「基礎練習」、「その他」も含まれる。同じ奏法を3回演奏するが、速度・密度・音量・難度などを1回目は「高く」、2回目は「中程度に」、3回目は「低く」する。

6-8. Trio (2021) with video-score
楽器の指定がない3曲からなる。1. 指示計に従って速度・密度・音量などの要素を増減。2. 1画面につき2〜6個表示される記号□と■に応じて任意の2種の音響ないし奏法を演奏。記号が矢印つきの場合はその内容を変更。画面の切替速度は徐々に加速し最後に3倍となる。3. Duoと同じく流れる矩形に従って演奏。

(文:池田拓実)


池田拓実は東京在住の作曲家 / コンピュータ音楽家。音楽用または汎用プログラム言語を用いて、作曲と演奏をおこなう。これまでに、東京現音計画、タンブッコ・パーカッション・アンサンブル、実験音楽とシアターのためのアンサンブル、ヴォクスマーナなどの演奏団体、演奏家によって作曲を委嘱初演される。また、2011年より木下正道、多井智紀とのトリオ「電力音楽」の演奏活動を続けていて、2018年にCD『電力音楽演奏会 Electric Powered Music Concert』を Meenna レーベルよりリリース。

本アルバムには、作曲者である池田拓実が音楽的手続き "Musical Procedure" と呼ぶ4作品を収録。通常、作曲作品では演奏すべき音が記譜されるが、「音楽的手続き」作品では演奏の方法や曲の概要など音楽を形成するための手続きが極力簡潔に記され、どのような音響が実現されるべきであるかの多くは演奏者に委ねられる。

ソロ・ピアノの「Delimiter」、ギターとピアノのための「Duo」、ソロ・ギターの「Canon」、トリオによる「Trio」の4曲を収録。「Delimiter」を除く3曲はヴィデオ・スコアを使った作品。演奏は、遠藤ふみ (ピアノ)、柳沢耕吉 (エレクトリック・ギター)、池田拓実 (エレクトリック・パーカッション、ドレン・ホース、ほか) が担当。なお、「Delimiter」と「Trio」はそれぞれ3トラックに分かれているため、CDには全8トラックが収められている。2021年5月24日、東京 Ftarri にて無観客で録音をおこなった。


Last updated: February 25, 2022

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